COLUMN

糸リフトのこだわり──麻酔について

LOCO CLINIC 院長 狩野遊太

糸リフトを受けた方の感想は、はっきり二つに分かれます。「思ったより全然平気だった」と「痛かった」。この差は、受けた方の我慢強さの差ではありません。麻酔の丁寧さの差です。

麻酔そのものを痛くしない技術がある

「麻酔が一番痛かった」という感想は、美容医療全般でよく聞きます。もったいない話で、局所麻酔の痛みは工夫でかなり減らせます。

具体的には、できるだけ細い針を使うこと。麻酔液をゆっくり注入すること(急に入れると組織が押し広げられて痛みます)。最初の一点にしっかり効かせてから、そこを起点に範囲を広げていくこと。そして、糸が通るルートに沿って過不足なく効かせること。どれも地味ですが、積み重ねると体感はまったく変わります。

当院では、この麻酔の工程に施術と同じくらいの集中力を使っています。麻酔で痛い思いをさせるくらいなら、そこに時間をかけたほうがいい。施術全体の体験は、最初の数分でほぼ決まるからです。

術中に我慢はしなくていい

それでも、麻酔の効き方や痛みの感じ方には個人差があります。だから当院では施術前に必ず「痛かったら遠慮なく言ってください。すぐ足します」とお伝えしています。施術は我慢して乗り切るものではなく、痛くない状態を一緒に作りながら進めるものです。

術中の声かけにも意味があります。今どの工程で、あとどのくらいか。先が見えるだけで、体感の緊張はまるで違います。糸を引き上げるときの「引っぱられる感覚」は麻酔をしても残りますが、これは痛みではないこと、異常ではないことを先に説明しておくだけで、不安はかなり減ります。

痛みの記憶は、次の一歩を止める

なぜここまで麻酔にこだわるかというと、痛みの記憶は「もう二度と行かない」につながるからです。糸リフトは一度で終わりの施術ではなく、数ヶ月〜数年単位でメンテナンスしながら付き合っていく施術です。初回が痛かった方は、効果に満足していても次に来られなくなる。

痛みへの不安で糸リフトを迷っている方は、カウンセリングで遠慮なくその不安を話してください。どの工程でどんな麻酔をするか、痛みが出たらどうするかまで、具体的にご説明します。

参考:麻酔の種類と、術後の痛みの経過

糸リフトで使う麻酔についても、整理しておきます。まず糸の入口となる点への局所麻酔。ここが最初の関門なので、細い針でゆっくり行います。次に、糸が通るルートに沿った麻酔。カヌラの通り道に麻酔液を先行させておくことで、糸を通すときの痛みを抑えます。ご希望や部位によっては、表面麻酔クリームを併用することもあります。

痛みには、心理的な要素も大きく関わります。人は「いつ何をされるか分からない」状態で痛みを強く感じます。だから当院では、次に何をするか・チクッとするか・押される感じかを、逐一声に出してから行います。地味ですが、これだけで体感はかなり変わります。

術後の痛みの経過も知っておくと安心です。麻酔が切れたあと、当日〜数日は、押すと痛い・口を大きく開けると突っぱる、といった鈍い違和感が出るのが普通です。多くは数日〜1週間で気にならなくなり、鎮痛薬でコントロールできる範囲です。強い痛みが続く・悪化する場合は我慢せずご連絡ください。術後の連絡先は施術当日に必ずお渡ししています。

※糸リフトは自由診療(保険適用外)です。腫れ・内出血・引きつれ感などのダウンタイムがあり、効果の程度・持続には個人差があります。